pipenv
とpoetry
の両方がlockファイルを使用するのは、依存関係の一貫性と再現性を確保するためです。それぞれのツールでは、このlockファイルは異なる名前(Pipfile.lock
とpoetry.lock
)で呼ばれますが、役割は非常に似ています。
lockファイルの役割
- 再現性
lockファイルはプロジェクトの全ての依存関係(直接および間接)とその厳密なバージョンをリスト化します。これにより、プロジェクトの環境を完全に再現可能にします。つまり、同じlockファイルを使用して依存関係をインストールすると、同じバージョンのパッケージがインストールされることが保証されます。 - 一貫性
プロジェクトを異なる環境(例えば開発環境、テスト環境、本番環境)や異なるマシンにデプロイする際に、全ての環境で同じバージョンの依存関係が使用されることを保証します。これにより、「私のマシンでは動作する」という問題(”It works on my machine” problem)を避けることができます。 - パフォーマンス
lockファイルは依存関係の解決(どのバージョンのパッケージをインストールすべきかを決定するプロセス)を事前に行います。これにより、依存関係をインストールする際のパフォーマンスが向上します。
通常、lockファイルは手動で編集するものではありません。代わりに、依存関係が更新されるたびに(新しいパッケージのインストール、既存パッケージのバージョンアップなど)、対応するコマンド(pipenv lock
やpoetry update
など)を使用して自動的に生成または更新します。そして、このlockファイルの変更はバージョン管理システム(たとえばGit)にコミットされるべきでしょう。