pipenv
とpoetry
は、Pythonの依存関係を管理し、仮想環境を作成するためのツールですが、いくつかの違いがあります。
- 依存関係の管理
pipenv
は、Pipfile
とPipfile.lock
を通じて依存関係を管理します。これにより、プロジェクトの依存関係が明確になり、再現性のある環境を作成することが可能になります。 - 仮想環境の自動作成
pipenv
はpip
とvenv
の機能を組み合わせたツールで、仮想環境を自動的に作成・管理します。pipenv install
を実行すると、Pipfile
に基づいてパッケージをインストールし、同時に仮想環境を作成(または既存のものを使用)します。 - グラフ表示
pipenv graph
コマンドを使うと、プロジェクトの依存関係を視覚的に表示することができます。
- 依存関係の管理
poetry
はpyproject.toml
とpoetry.lock
を用いて依存関係を管理します。これにより、プロジェクトの依存関係が明確になり、再現性のある環境を作成することが可能になります。また、pyproject.toml
はPythonの公式PEP 518に基づいています。 - パッケージの公開
poetry
はパッケージの公開をサポートしています。poetry publish
コマンドを使用すると、パッケージをPyPIに公開することが可能です。 - 依存関係の解決
poetry
は依存関係の解決アルゴリズムに力を入れており、複雑な依存関係をより効率的に解決します。 - 仮想環境の自動作成
poetry
もpipenv
と同様に、仮想環境を自動的に作成・管理します。
pipenv
は、Pythonの依存関係管理と仮想環境の作成・管理を簡単にすることを目指しています。一方、poetry
はこれに加えて、パッケージの公開と複雑な依存関係の解決に重点を置いています。
どちらを使用するかは、プロジェクトの要件や好みによるところが大きいかもしれません。
- もしプロジェクトをPyPIに公開する予定があり、かつ複雑な依存関係を持つプロジェクトを管理する必要があるなら、
poetry
の使用を検討すると良いでしょう。 - 一方で、シンプルな依存関係管理と仮想環境の作成・管理を主に求めている場合は、
pipenv
が適しているかもしれません。