［Linux］ユーザ・グループ・権限の設定

Linuxの基本的なユーザに関係するコマンドの一覧

新規ユーザーアカウントの作成

基本的な追加

このコマンドを実行すると、username という名前の新しいユーザーアカウントがシステムに追加されます。また、通常ホームディレクトリは作成されません。

useradd username

• useradd
  新しいユーザーアカウントを作成するためのコマンド
• username
  新しく作成するユーザーアカウント名

ユーザーのホームディレクトリを作成する場合　-mオプション

useradd -m username コマンドは、username という新しいユーザーアカウントを作成し、/home/username のホームディレクトリを作成します。

useradd -m username

-m オプションを使用すると、新しく作成されたユーザーのためのホームディレクトリが自動的に作成されます。

• useradd
  新しいユーザーアカウントを作成するためのコマンド
• -m
  ホームディレクトリを作成する。通常、ホームディレクトリは /home/username というパスになります。
• username
  新しく作成するユーザーアカウント名

明示的にユーザーのホームディレクトリを作成しない -Mオプション

useradd -M username コマンドは、username という名前の新しいユーザーアカウントを作成しますが、そのユーザーのホームディレクトリは作成されません。

useradd -M username

-M オプションを使用すると、新しいユーザーのホームディレクトリの作成をスキップします。

• useradd
  ユーザーアカウントを追加するコマンド
• -M
  ホームディレクトリを作成しないことを指示します。通常、useradd コマンドを使用すると、新しいユーザーのホームディレクトリがデフォルトの設定に基づいて作成される場合がありますが、-M オプションを使用するとその動作が抑制されます。
• username
  新しく作成するユーザーアカウント名

-M オプションを使用すると、その意図がコマンド自体から明確にわかるので、他の人がそのコマンドを見たときにホームディレクトリの作成を意図的にスキップしていることが伝わりやすくなります。

セカンダリのグループに所属

useradd -g wheel username コマンドを実行すると、username という名前の新しいユーザーアカウントが作成され、そのユーザーのプライマリグループとして wheel グループが設定されます。

useradd -g wheel username

-g オプションは、新しく作成されるユーザーのプライマリグループを指定するためのものです。

• useradd
  新しいユーザーアカウントを作成するコマンド。
• -g
  ユーザーのプライマリグループを指定する。
• wheel
  username という名前の新しいユーザーのプライマリグループとして設定されるグループ名。
• username
  作成するユーザーアカウント名。

サブグループを変更する

usermod -G wheel username コマンドは、username という名前の既存のユーザーアカウントのサプリメントグループを wheel に設定します。注意点として、このコマンドを実行すると、ユーザーが以前に所属していた他のサプリメントグループから削除され、wheel グループのみがサプリメントグループとして設定されます。

usermod -G wheel username

-G オプションは、ユーザーのサプリメント（追加）のグループを指定するためのものです。

• usermod
  既存のユーザーアカウントを変更するコマンド。
• -G
  ユーザーのサプリメントグループを設定するためのものです。サプリメントグループは、ユーザーのプライマリグループ以外のグループを指します。
• wheel
  この部分は設定するグループ名を示しています。
• username
  変更するユーザーアカウント名。

ログインディレクトリを指定する

useradd -d /path/to/directory username コマンドは、username という名前の新しいユーザーアカウントを作成し、そのユーザーのホームディレクトリを /path/to/directory として設定します。

useradd -d /path/to/directory username

-d オプションは、新しく作成されるusernameのホームディレクトリを指定します。

• useradd
  ユーザーアカウントを追加するコマンド。
• -d
  このオプションは、ホームディレクトリのパスを指定するためのものです。
• /path/to/directory
  これは新しいユーザーアカウントのホームディレクトリとして設定されるディレクトリのパスを示しています。実際にコマンドを実行する際は、これを適切なディレクトリのパスに置き換える必要があります。
• username
  新しく作成するユーザーアカウント名。

パスワードの設定

passwd username コマンドを実行すると、指定された username のユーザーパスワードを変更するプロンプトが表示されます。コマンドを実行した後、新しいパスワードとその確認を入力するように求められます。

passwd username

passwd コマンドは、Linuxシステム上でユーザーパスワードを変更するためのコマンドです。

• passwd
  ユーザーパスワードを変更するコマンド。
• username
  パスワードを変更したいユーザーアカウントの名前。

グループの作成・追加

新規グループの作成（groupadd）

groupadd newgroup コマンドは、Linuxシステム上でnewgroup という名前の新しいグループがシステムに追加されます。

groupadd newgroup

• groupadd
  新しいグループを作成するコマンド。
• newgroup
  作成される新しいグループの名前。

ユーザー（username）の所属グループ（newgroup）を追加する（gpasswd）

gpasswd --add username newgroup コマンドは、username という名前のユーザーが newgroup という名前のグループに追加されます。

gpasswd --add username newgroup

gpasswd コマンドは、Linuxシステム上でグループのパスワードを設定したり、グループメンバーを管理したりするためのコマンドです。--add オプションは、指定されたユーザーを指定されたグループに追加するためのものです。

• gpasswd
  グループのパスワードやメンバーを管理するコマンド。
• --add
  指定されたユーザーを指定されたグループに追加するためのものです。
• username
  グループに追加されるユーザーアカウントの名前。
• newgroup
  ユーザーが追加されるグループの名前。

usermod -aG newgroup username

usermod -aG newgroup username コマンドを実行すると、username という名前のユーザーが newgroup という名前のグループに追加されますが、そのユーザーが以前に所属していたグループからは削除されません。

• usermod
  既存のユーザーアカウントを変更するコマンド。
• -aG
  指定されたユーザーを指定されたグループに追加するためのものです。ここでの -a は “append”（追加）を意味し、既存のグループメンバーシップを保持しつつ新しいグループにユーザーを追加します。
• newgroup
  ユーザーが追加されるグループの名前。
• username
  グループに追加するユーザーアカウントの名前。

所属グループを確認する（id）

id username

id コマンドは、Linuxシステム上で特定のユーザーのユーザーID、グループID、およびそのユーザーが所属するグループの情報を表示するためのコマンドです。

• id
  ユーザー情報を表示するコマンド。
• username
  情報を表示したいユーザーアカウントの名前。

id username コマンドを実行すると、username という名前のユーザーの次の情報が表示されます：

• uid
  ユーザーID
• gid
  プライマリグループID
• groups
  そのユーザーが所属するすべてのグループのリスト

このコマンドの出力は、ユーザーの権限や所属グループの情報を迅速に確認するのに便利です。

権限を変更

ファイルやディレクトリのアクセス権限を変更します。数字の各桁は、それぞれ所有者、グループ、その他のユーザーの権限を示しています。

chmod 764 text.txt

764の場合、以下のように解釈されます。

• 7　所有者: 読み取り+書き込み+実行
• 6　グループ: 読み取り+書き込み
• 4　その他のユーザー: 読み取り

所有者の変更

ファイル、ディレクトリの所有者やグループを変更します。

chown -R apache:apache proj

• chown
  コマンド名
• -R
  これは「再帰的」(recursive) オプションで、指定したディレクトリとその中にあるすべてのサブディレクトリやファイルの所有者とグループを変更するために使います。
• apache:apache
  この部分は所有者とグループを指定しています。最初の apache はユーザー (owner) を示し、2つ目の apache はグループを示します。このコマンドは proj ディレクトリおよびその中にあるすべてのサブディレクトリやファイルの所有者とグループを apache に変更します。
• proj
  これは変更対象のディレクトリやファイル名です。

結果として、このコマンドは proj ディレクトリとその中に含まれるすべてのファイルやサブディレクトリの所有者とグループを apache に変更します。